私は、ロシアのミサイル攻撃でウクライナの市民が亡くなるニュースを見るたび、何もしてあげられず、切なく悲しい気持ちになる。
金子みすゞもそんな気持ちで「お魚」というタイトルの詩を創作したのだろうか。
お魚
海の魚はかわいそう。
お米は人につくられる、
牛は牧場で飼われてる、
鯉もお池で麩を貰う。
けれども海のお魚は
なんにも世話にならないし
いたずら一つしないのに
こうして私に食べられる。
ほんとに魚はかわいそう。
ウクライナが自国内に攻め入ってきたロシア軍を撃退しようとするのは正当防衛であり、国家や市民には何の罪もないのだ。ロシア国民はキリスト教徒らしいが、罪のない人を殺戮することが教義に背くと思わないのか。何のための宗教なのか。
専門家は、ロシアの行為は、武力行使を禁じる国連憲章に明確に違反する侵略であり、禁止の例外である自衛権の行使にはあたらないと言う。私もそう思う。また、ロシア軍の撤退後、ロシア軍が占領していた各地で、住民の大量殺害が報道されている。ロシア軍への敵対行為に参加していない文民を殺害したのであれば、国際人道法に照らして、ロシアは厳しく非難されるべきであるとも専門家は言う。これもまた然りである。こんな当たり前のことが、ロシアでは通用しないのだろうか。いったいどうなっているのだ。ロシアに正義というものはないのか。
民主主義国と独裁国家との違いだとも専門家は言う。独裁国家では、金子みすゞのような感性を持つ人間は生まれないのだろうか。いま、問題となっている宗教によるマインドコントロールのように、国家が思想統制やプロパガンダで国民をコントロールしているとしたら、とても怖いことだ。第二次大戦中の日本でも、戦時教育や大本営発表でこれが行われた。太平洋戦争での日本の死者は、軍人、軍属、准軍属合わせて約230万人、外地の一般邦人死者数約30万人、内地での戦災死亡者約50万人、合わせて約310万人となっている。
私はロシアの侵攻を他人事として見ていられない。しかし何もできないので、ただ祈るだけだ。G7を中心としたロシアへの経済制裁に期待したが、制裁逃れがあるのか、うまく機能していないようだ。NATO諸国によるウクライナへの武器供与も、ロシアの顔色をうかがいながら恐る恐るやっているように見える。「戦争犯罪者」に対して、顔色をうかがったり、「逆ギレ」を恐れたりしているのだから情けない。これを見て中国や北朝鮮は付け上がり、軍事力強化に血眼になるに違いない。
互いに軍事費をエスカレートさせ、最後は核戦争で人類は破滅するというシナリオが現実味を帯びてくる。人類だけでなく、魚も、鳥も、牛も、豚も、ペットもみんな死に絶える。こんな状況を金子みすゞはどう思うだろうか。
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