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  • 執筆者の写真池永敏之

こどもの日

更新日:2022年8月10日


 朝日新聞の朝刊に「ひととき」という女性投稿欄があります。暮らしのなかで感じたことを投稿するコーナーです。私は43年前から当欄の愛読者なのですが、読み始めるきっかけになったのが1979年5月5日に掲載された「こどもの日」というタイトルの投稿でした。投稿者は中年女性のAさんで、初めての子を授かって間もない頃を振り返る内容です。Aさん宅の隣にも同じ年頃の乳児がいて、両家の庭には、互いに競い合うようにオムツが干されました。


 ところが突然、お隣の赤ちゃんが亡くなってしまいます。それを知ったAさんは、お隣を気遣ってオムツ干しを見えない場所に移しました。これまでは、いちばん陽の当たる南側に干していたに違いありませんが、東や西、或いは北に移したのでしょう。乾きが遅く、不便だったはずです。私は、お隣の悲しみに寄り添うAさんの優しさに胸を打たれました。そのうちお隣はどこかへ引っ越し、Aさんも別の家に移り住んだが、このことは「こどもの日」になると思い出すというのです。5月5日は、わが子の成長を祝う日だけれど、祝えない人にとっては辛い日でしょうね。投稿から、こどもの健康に感謝しつつ、赤ちゃんを失ったお母さんを思いやるAさんの気持ちが伝わりました。


 最近では、亡くなった娘に成人式の振袖のDMが届くという、何ともやるせない投稿がありました。名簿が金で買われ、相手のことを考えず一方的に送り付けられることが当たり前のように行われています。私にもつい先日、体脂肪を減らす健康食品を特別価格で提供するという電話がありました。数年前に血圧を下げる食品を購入した会社からでしたが、効果が見られず、今は医者の薬を飲んで下げていると話すと、代わりに体脂肪を減らす食品を勧められたのです。私は167㎝、54㎏でやせすぎなんだと伝えると、電話の女性は驚いて、「ずいぶんスレンダーなんですね」と気まずそうに取り繕うような言葉を返してきました。「高血圧=高齢者=肥満」という固定観念で十把一絡げに扱えば効率的かもしれませんが、そうでない者もいることを忘れないでくださいね。


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