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  • 執筆者の写真池永敏之

バンクシーの風船と少女



 この絵は、少女の手から風船が離れてしまったのではなく、少女のもとへ飛んできた風船を掴もうとしているのだと、私は思いたい。


 でも、少女の髪やスカートは風で前になびいている。

 ならば風船は少女から離れていくと見るのが、自然ではないか。

 悲しげな少女の顔、風に乗って舞い上がろうとする赤いハート。


 赤いハートは、自分ではコントロールできない感情的な心や胸の内、気持ちを表したものだろう。

 ハートをなくすことは、感情をなくすことでもある。


 感情がなくなれば、胸がギュッとなったり、やきもちを妬いたり、苦しい思いをしないで済むが、音楽を聴いて感動したり、花を愛でたりできなくなる。空の青さ、星の輝きも美しいと思えなくなる。


 ロシアの侵攻で親を亡くしたウクライナの子供たちのハートは、赤い風船のように飛んで行ってしまうのだろうか。


 近親者やペットなどを亡くし、喪失感を味わった人は、「胸にポッカリ穴が開いたようだ」という。この穴って、飛んで行ったハートが入ってた場所のこと?


 無邪気な少女に戻って欲しいから、私はやっぱり風船は少女へ飛んできた、このあと少女は風船を掴む、と思いたいのだ。



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神田川

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